五感で楽しむ旅のポリシ−
コムツア−が身体に障害を持った方々の旅行を手がけるようになりましたのは、１９８７年（昭和６２年）東部アメリカの美術館巡り（タッチミ−ア−ト・ツア−）が最初です。３年後の１９９０年（昭和６５年）には「ひまわり号・米国横断ツア−」を企画、総勢１８６名（肢体障害、視覚障害、知的障害、聴覚障害）の旅行を行いその模様は当時テレビでも放映されました。
この旅行をきっかけに本格的に身体に障害を持った方々を対象としました旅行を企画するようになり、９４年１１月「手で見るバチカン美術館への旅」を企画催行以後、年間４〜５本のペ−スで現在でも企画しています。
旅行のタイトルも当初「タッチミ−ア−ト・ツア−」から「手で見るツア−シリ−ズ」、「わがままツア−シリ−ズ」そして現在の「五感で楽しむ旅シリ−ズ」に落ち着きました。
＊このような考えでこれからも旅行を・・・
当初、「視覚障害者の方がもっと気楽に世界の文化を訪ねる旅に出かけることが出来るように」をポリシ−としてはじめた旅行でした。それはもちろん今でも変わってないのですが、最初の頃は各訪問地の美術館等を巡り、作品に触れることに重きをおいた旅行でした。目が見えないのだから触れてみる。そう単純に思っていたものですから、「手でみる〇〇ツア−」なんて安易なタイトルでパンフレットを作ったことも何回かありました。あまりにも視力障害を持っている人の事を知らな過ぎた、今思うと恥かしくなるようなツア−名でした。
しかし、「ひまわり号・米国横断ツア−」にて、視覚障害の方々を含め、聴覚や肢体に障害を持っている人達と旅行をごいっしょさせて頂いているうちに、旅行はもちろん、その国の文化を訪ねるものだけれど、旅は身体全体、五感で感じ楽しむもの。経験・体験・交流・ふれあいは「心を豊かにする旅」でもあり、旅とは人間のやさしさを見つけるためのもの。と言うことに、ようやく気づきはじめました。
＊このような思いが「五感で楽しむ旅」のネ−ミングになりました。
五感とは、皆さんご存知の通り、視覚・聴覚・嗅覚（きゅうかく）・味覚・触覚（しょっかく）の感覚の総称ですが障害者を持っている方々は、その障害がある部分について、それを補うべき心の目、心の耳、心の足をお持ちになっていると思います。日常生活を離れ、短い期間ではありますが、皆様が持っているその五感で心の旅をしていただければと思っています。
旅行中は、予期せぬトラブルやハプニングが起きることがありますが、ツア−参加者で力を合わせて、それらを楽しみに変えてしまう…そんな事ができてしまうコムツア−です。
＊旅行の楽しみ方について・・・
それは、旅行に行くと心に決めた時からもう始まっています。
出発前の楽しみ：訪問地の勉強・情報の収集（テ−プ・対面朗読・ガイドブック・インタ−ネット他）・・これは、旅行をより楽しいものにしてくれます。
出発前の買い物。（ス−ツケ−スをはじめ、旅行用品）2回目からほとんど買う必要がなくなります。持ち物チェック、お土産のチェックなど
旅行中の楽しみ：これは、ずばり五感で楽しむすべての「もの」・「こと」例えば乗り物（飛行機やバスだけではなく、馬・らくだ・象などの動物も）、食事、町の雰囲気や喧騒（街や市場の散策等）・現地の人々とのふれあい、歴史的建造物、芸術作品、お買物など
旅行が終わってからの楽しみ：旅行中の、いろいろな出来事をお土産話として家族、友人、知人に聞かせる。
写真を見せる。お土産を配る（整理と分配）など
旅行を重ねることにより、上記３つの楽しみの繰返しになりますが、全く同じという事はあり得ません。旅行のひとつ、ひとつが、いつまでも、その人にとって旅の思い出として残ることでしょう。普段の生活では味わえない感動がその都度感じられるのではないでしょうか。
＊皆さまのまわりにも・・・
旅行に行ってみたいのだけれど、不安なので、なかなか一歩が踏み出せない。
いっしょに行ってくれる同行者がいない、言葉が出来ないので、、、という知人、友人の方々がたくさんおられると思います。このような人たちへは、旅行に行った事のある人が、旅行のお土産話を是非、聞かせてあげてください。これが最も効果的で有効だと思います。
五感で楽しむ旅に、ご参加者いただいているお客様は、お蔭さまでリピ−タ−の方々が多いのもコムツア−の特徴です。最初は、そのほとんどが、友達に勧められという方々で、うれしく思っております。反面、旅行は1度でも失敗すると、信用を取り戻すまでがとても大変ですので、いつも真剣勝負です。
最初に書きましたが、「障害者の方々がもっと気楽に世界の文化を訪ねる旅に出かけることが出来るように」を合言葉で始めた旅行ですので、より多く人たちに「こんな旅行があるよ」とお知らせし、旅行に参加するきっかけになればと思い、このホ−ム・ペ−ジを作成しました。
コムツア−のお客さまは、皆さんが仲間です。